発達障害と少年犯罪(著者:田淵俊彦)

読書

「発達障害」と「犯罪」との関係が語られている。

発達障害は主に自閉スペクトラム症について。(本文中では自閉症スペクトラム障害)

犯罪は主に猟奇殺人について。

著者は、発達障害はそのまま少年犯罪に結びつくわけではない。しかし、結びつく可能性があるとしたら何なのか。それを本書で述べている。

本書はそれだけでは留まらず、虐待との関係性や発達障害を矯正する最新のトレーニング法についての記載がある。気になったポイントを以下に記載する。

・1クラスに2人程度は発達障害の子供がいる

知的発達に遅れはないものの、学習面または行動面で著しい困難を示すとされた児童生徒の割合が6.5%あった。この数字は通常学級の1クラスに2人程度は発達障害の子供がいることを示している。

・日本は児童精神医療の後進国

東京都で大学病院以外の児童思春期を対象とした専門的かつ本格的な精神科病院というと、府中市にある東京都立小児総合医療センターが挙げられる。ここで児童精神科に相当するのは「こころの専門診療部」だが、2016年8月の段階で病床数は202しかない。2013年の東京都医療保険計画によると、東京都全域の精神科基準病床数は2万1956であるから、いかに児童精神医療が立ち遅れているかが分かる。

・サヴァン症候群

膨大な量の書籍を1回読んだだけで全てを記憶し、さらにそれを全て逆から読み上げるという常軌を逸した記憶力を持つなど、天才的な能力を持つにもかかわらず、通常の学習能力は普通であったりする。このような症状をサヴァン症候群というが、自閉スペクトラム症の10人に1人がサヴァン症候群と言われている。

・エピジェネティクス

環境によって変化する遺伝子のスイッチのこと。ライフスタイル、食生活、社会的変化、環境汚染、また心理的な変化によっても、遺伝子のスイッチが切り替わってしまうことが明らかになっている。遺伝子は先天性のもので不変である、という事が覆された衝撃的な事実である。

・認知機能改善トレーニング「コグトレ」

発達障害を持つ子供は認知機能が弱い特徴がある。以前から認知行動療法という手法があるが、これは認知能力があり、その認知のゆがみを矯正するプログラムであるため、そもそも認知機能が劣っている場合この手法では限界があった。宮川医師によって開発された「コグトレ」は、認知機能の改善を目的として開発されたトレーニングで社会面、学習面および身体面を強化することに繋がる。

内容が気になった方は実際に本書を手に取って頂ければと思い、参考に以下にamazonリンクを貼ります。

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